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インデックス「とうまー好きな人ができたんだよ」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:42:28.16 ID:5N5UEE3j0
当麻「え?マジ?」
インデックス「うん…」
当麻「てか、お前家の中にしかいなかったのにいつの間に…」
インデックス「という訳で、誤解されたら困るから出て行くんだよ」
当麻「ちょっと待て!?お前一人で食事とか大丈夫なのか?」
インデックス「当たり前だよーあ、そっか…当麻いつも作ってくれてありがとうだよ」
当麻「ま、まぁな…んでいつ出て行くんだ?」
インデックス「早ければ早いほどいいんだよ」

 

 

 

 


 

 

 

 

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:45:44.77 ID:5N5UEE3j0
「とうまー好きな人ができたんだよー」
いつもの調子でインデックスが言った。
好きな人って、男?
食べ物にしか興味が無いインデックスからこんな発言が聞けるなんて驚きだった。

「というわけで、誤解されたら困るし、出て行くんだよ」
「あ、あぁ…」
とっさの事で腑抜けたような返事が口をついた。
「んで、いつ出て行くんだ?」
「今日だよ?」
俺と不思議なシスターの共同生活はあっけないほど簡単に終わりを告げようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:48:45.11 ID:5N5UEE3j0
「お、お前…」
何か言おうとして言葉に詰まった。
感情としては、行ってほしくない、が近いのだと思う。
ただ、俺たちは恋人でも何でもないのだ。

「お前さ、料理は一人で大丈夫なのか?」
「当たり前だよー」
「当たり前…」
「あ、そっか…当麻いつも作ってくれてありがとうだよ」

そう言ったインデックスの顔はいつも通りの柔らかな笑顔で、まさか今日出て行くなんて到底思えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:51:52.27 ID:5N5UEE3j0
「でもお前料理なんか作れそうにないしなぁ…」
「いざとなったら彼に作ってもらえばいいよー」
インデックスとそいつの仲はそんなに進んでたのか。
しかも、作ってもらうって…もしかして同棲するつもりなのか?

「そ、その彼に迷惑じゃないのか?」
別に料理の話なんてどうでもいい…何か決定的な事を言いたかった。
「迷惑じゃないもん!だって」
ここから先は、聞きたくない気がした。
「俺だったらいやだな…」
インデックスは頬を膨らませていつものように言った。
「当麻には関係ないじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:55:43.42 ID:5N5UEE3j0
一番言われたくない台詞だった。

「関係ない、か…確かに関係ないよな…」
「とうま?」
「元々俺とお前は関係なかったんだ…勝手にベランダに落ちてきたのもお前だし、
 住み着いたのも、猫を飼ったのもお前だもんな…」
怒りに任せて語りつつ、インデックスとの思い出が意外に多い事に気付く。
海に行ったこと、イタリアに海外旅行したこと…。
記憶をなくしてから、いつもそばにいてくれたのはインデックスだった。

「と、とうま…悲しいの…?」
インデックスがおろおろしながらこちらを見てくる。
「か、悲しいんじゃなくて…」
悲しいんじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/11(木) 23:59:53.79 ID:5N5UEE3j0
「悲しいんじゃなくて、自分勝手なお前に怒ってるんだ!」
「お、怒ってるの?」
「そうだよ!!」
この謎の感情を悟られたくなくて、必死で抗弁する。

「口を開けば、お腹すいたーだし、猫飼いたいーだし…自分のことばっかじゃねぇか
 そんな我侭でこの先やっていけるのかよ!!」
「や、やっていけるよ!!」
「そうかな?」
「も、もしかして、とうま…迷惑だった…?」
「あぁ!!迷惑だよ!!他人に寄生するシスターなんて聞いたことがねぇよ!!」
言った瞬間、インデックスがすごく悲しそうな顔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:03:57.85 ID:GLl3KxRy0
「とうま、インデックスはとうまが迷惑でも…すごく楽しかったよ!!
 アイス買ってくれたり、一緒に海外旅行行ったり、猫飼ったり、ご飯作ってくれたり…
 すごく嬉しかったんだよ!!!」

じゃあ何で出て行くんだよ!!…なんて言える筈が無い。
もう何が正しいんだかわからない…。

「俺はすげー無駄な時間を過ごしたと思ったわ」
「む、無駄…」
インデックスの目にじわりと涙があふれる。
「い、インデックスは…とうまの時間を無駄にしちゃったのかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:07:37.76 ID:GLl3KxRy0
「あぁ、無駄にしたよ!」
「そっか…」
何でそんな悲しそうな顔をするんだよ!!
じゃあ、何で出て行くなんて言うんだよ!!!
そんな悲しい思いをしてまで、その次の相手が良いのかよ!!!

「それでも、インデックスは…とうまに会えて、よかった…」
そうやって優しくするのやめろよ!!
「俺はお前みたいな寄生虫に寄生されて最悪だったわ」
「ごめん…とうま…私、もっとしゃんとする!!」
「無理だと思うけどな…」
言うたび心がずきずきと痛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:14:00.24 ID:GLl3KxRy0
「とうま…インデックスはとうまの事が大好きだったんだよ」
「俺は寄生されて命まで落としかけて最悪だったよ」
何でこんな事言ってるんだろ。
最悪だ…何も無かったことにできたらどれだけいいだろうか。
インデックスがこっちをじっと見ている。

「とうま…?」
「…何だよ」
「何で泣いてるの?」
「泣いて…えっ?」
情けないことに俺の両目からほとんど自動的に涙が出てきていた。
ぬぐってみてはじめて気がついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:17:49.46 ID:GLl3KxRy0
本当はわかってる。
寄生されたなんて思ってない。

インデックスに料理を作って、インデックスと家でのんびりして、たまに外に遊びに行って、
我侭で大食いだけど、そんなインデックスを見るのも楽しかったんだ。
俺、多分インデックスが、好きだったんだ。

それが急に終わりを告げるからきっと悲しいんだ。
相手の幸せのために送り出してやれ、なんて…誰が言ったんだろうな。
情けないけど、今は心がついていきそうに無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:24:48.77 ID:GLl3KxRy0
「…なーんてな?」
「?」
「びっくりしたか?たまにはこうやってからかわないとな?」
インデックスは、俺のことをとても悲しそうに見つめた。

「ほら、インデックス、この前俺のプリン勝手に食べただろ?その仕返しだよ!」
「プ、プリン…ご、ごめんね…ひぐっ…ごめんね…」
「おい、泣くなよー」
「ごめん…プリン…ごめんね…」
インデックスが泣いてる理由も、俺が笑ってる理由も違う。
それでも、
「今日は、インデックスと最後の晩餐だからな、たまには奮発してご馳走でもつくろうかな?」
「とぅま…」
「わり、ちょっと買い物でかけるわ」
そう言って外に出るのが精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:33:23.56 ID:GLl3KxRy0
「インデックス…」
ドアを閉めて、一人で泣いた。
俺の涙が廊下に落ちたのを見つけて、ご丁寧にロボットが掃除にやってきた。
「とうまー、ねぇ、とうまー」
なんて、これからもずっと頼られ続けられるんだと思ってた。
インデックスといると、わくわくもドキドキもした。
御坂をあしらうのにしか使ってなかった、この右手が初めて生きた気がした。

「なんだよ…これ…畜生…」
これが夢だったらどれだけ良いだろう。
朝になったらいつものようにインデックスがいて、とうまーお腹すいた、って言って…
これがもし夢だったら、次の朝にはとっておきのフレンチトーストを焼いてやろう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:38:31.08 ID:GLl3KxRy0
幻想殺し(イマジンブレイカー)…あらゆる魔術や超能力を無かったことにする俺の力。
この力でヨハネのペンもインノケンティウスも一方通行も超電磁砲もすべて消した。
それでも、本当に大切な事に関しては、無かったことにできないようだ。

「とうまの右手は幸せの赤い糸も無かったことにしてるんだと思うよ」
昔、インデックスがそう言ってたっけ…。
最近インデックスといて幸せな時間が続いてたから、忘れていた。
やっぱり俺…
「不幸だなぁ…」

ぽつぽつと雨が降ってきた。
雨を検知して俺の周りをうろついていたお掃除ロボがいっせいに退避する。
「酷くならない内に買い物に行くか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:45:22.03 ID:GLl3KxRy0
小萌先生のところで、インデックスはすき焼きをおいしそうに食べていたらしい。
シェイクが好きだったり、味覚的にはきっと子供なんだろう。
だから、今日の晩餐にはステーキと刺身を買ってきた。
インデックスが好きなプリンとアイスも買ってある。

「ふぅ…残り500円か…散在したなぁ」
家の前に立ってドアをあける前に、全身がしびれたような感覚がした。
このままインデックスに会って、ご飯を作って、寝たら…それでもう終わってしまう。
死ぬのがわかってて車に突っ込んでいくような気がした。
正直、逃げたかった。
「畜生…」
考えてもろくなことにはならないから、覚悟を決めて中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:50:19.27 ID:GLl3KxRy0
「インデックスー」
部屋はしーんとしていた。
「お、おい…インデックス?あれ?」
いやな予感がする。
雨で暗いのに蛍光灯すらついていない。
最悪の事態が容易に想定できる…。
心の防御反応なのか、最悪の事態を勝手に口に出してしまった。
「おーい、インデックス…もう出て行ったのかー…」
言葉にして、初めて事態の悲惨さが理解できた。
「おい!!!インデックス!!!どこだ!!!」
トイレ、バス、たんす…
いない、いない、いない…
「インデックス!!!!おい!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:53:53.25 ID:GLl3KxRy0
居間の蛍光灯をつけていやなものが目に入った。
テーブルの上に、10cm四方の紙がおいてあり、ペンで何かが書いてある。
嫌だ…見なかったことにしたい…。
確か行きにはあんな紙なかったんだ。答えは出ている。

「畜生…」
そっと近寄るとインデックスの字だった。
「何だよ…こんなのってありかよ…こんな終わり方ってありかよ…」
インデックスからの手紙だった。
たどたどしい字で書かれており、急いでいたことが伺える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 00:56:53.71 ID:GLl3KxRy0
―――とうまへ
   親切にしてくれてありがとう 
   守ってくれてありがとう
   いつもインデックスに優しくしてくれてありがとう
   とうまに神のご加護がありますように

                 インデックス
「何だよ、これ…こんな…」
手紙を持ってる手が震えた。
「こんな紙切れで済ませる気かよ…畜生…」
もはや部屋には誰もいない。
誰にカッコつける必要もなく、誰に聞かれる心配も無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:04:16.88 ID:GLl3KxRy0
「インデックス…この…1から10まで振り回しやがって…!!」
手紙にぽつりと涙がこぼれた。
「神の加護なんかいらねぇ…加護なんかあっても幻想殺しでぶち壊しちゃうしな…」
誰に語るともなく言った。
「親切にした…守った…優しくした…当たり前じゃねぇか!!!」

「俺はインデックスが好きなんだからよ…」
もう無駄になってしまった言葉を手紙に向かって吐きつける。
俺は馬鹿だ。何で命までかけてたんだ…。
インデックスとの日々を守りたかった。
ただ、それだけのために命をかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:08:37.09 ID:GLl3KxRy0
「今頃気付くなんて、俺も大馬鹿…」

ガチャリ。

「はぁ…とうま、いつものスーパーにいなかったな…
 傘持ってたのに無駄になっちゃったよ」
玄関に2人分の傘を持ったインデックスがいた。
「イン、デックス…」
「あ、とうま!!もう帰ってたんだ!!雨大丈夫だった?」
「…」

言葉が出なかった。
言葉の代わりに様々な感情があふれてきて思わず吐きそうになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:12:10.12 ID:GLl3KxRy0
俺は立ち上がり、無言でインデックスに近づいていく。
インデックスは何かを感じたのか、その場で立ち止まった。
「とうま…」
「…」
声にならない感情が俺の中にあふれていた。

「とうま…ダメ、なんだよっ!!」
玄関に傘をほおりだしてインデックスがドアに手をかけた。
インデックスが、行ってしまう…。
「インデックス!!!待ってくれ!!」
その声を聞くや否や、インデックスは、ドアを勢いよく開けて外に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:15:48.95 ID:GLl3KxRy0
インデックスは一足先にエレベーターで一階まで下りた。
追いつくには階段しかない。
下手したらこのまま誰か知らないやつの所にいってしまう。

「畜生…」
俺の能力がもっと超能力者らしいものだったら…きっと…すぐにインデックスに追いつけるのに!!!
何で、無効化なんて…こんな能力なんだ…。
とりあえずはインデックスがいなくなってしまう前に階段をつかって下りるしかない。
追いつかないと、もう二度と会えないような予感がしていた。
「インデックス…インデックス!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:19:29.41 ID:GLl3KxRy0
一階に下りると、ちょうど走り去るインデックスの後姿が見えた。
雨はもう土砂降りで、インデックス自慢の「歩く教会」もびしょぬれだ。
俺のシャツも肌に張り付いたまま、体温を奪っていく。

「インデックスぅ!!!!」
ザーという雨の音が俺の声を掻き消す。
車が水を跳ね上げる音が時折聞こえてくる。
今はインデックスにおいつくしかない。
「何で逃げるんだよっ!!!この…我侭娘…」
泥を跳ね上げながら全速力でインデックスを追う。
インデックスはインデックスで必死で逃げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:24:12.67 ID:GLl3KxRy0
追いついた。
「インデックス!!」
「い、痛いっ…」
インデックスの小さな右腕を力いっぱいつかんだ。

「とうま…」
二人ともはぁはぁ、と呼吸を整えている。
腕をつかんだものの、次の言葉が浮かんでこない。
「とうま…なんで追いかけるんだよ…」
よく見ればインデックスの瞳には涙がたまっていた。
人生でこんなシーンが来るなんて思ってもみなかった。
次の瞬間、俺はインデックスを抱きしめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:29:37.60 ID:GLl3KxRy0
「と、とうま!!何してるんだよっ!!」
「抱きしめてる…」
「ダメだよ…とうま…私…私…」

言われる前にキスでくちをふさいだ。
初めて感じた人の口の感触だった。
いつも近くで嗅いでるインデックスの甘い香水のような匂いがした。

「ん…はぁ…ふぅ…」
インデックスの小さな体が呼吸に合わせて膨らんだりしぼんだりする。
お互いのびしょぬれの服を通じて体温がダイレクトに感じられた。
インデックスの生暖かい呼吸が俺の鼻や頬に吹き付けられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:41:37.86 ID:GLl3KxRy0
「こんなとうま…見たこと無いんだよ…」
「俺もこんなインデックス見たこと無いな…」
いつものマスコットキャラクターのようなインデックスはどこへいったのやら、
真っ白な衣装が雨でびしょぬれになり、頬を上気させて、潤んだ瞳でこちらを見ている。
果てしなく色っぽかった。

俺は、インデックスを街路樹の麓に連れて行く。
「とうま…怖いよ」
「嫌か?」
インデックスはわずかに視線を落とした。
問答など無用だとその瞳が告げている。
「私、教会のシスターで…んぐっ…」
またキスする。
先ほどとは違ってインデックスの力は抜けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:48:17.08 ID:GLl3KxRy0
「とうまとキスするなんて、思っても見なかったんだよ!!」
「俺も…」
インデックスは、俺の胸に額を押し当てている。
不思議な興奮が少し落ち着いた気がした。
インデックスはびしょぬれでこのままだと風邪を引いてしまうだろう。

「とりあえず風邪引くから家に戻ろうぜ?」
インデックスは俺を見上げて言った。
「嫌…」
「どうして?」
「このまま、ずっとここにいて欲しい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:53:13.88 ID:GLl3KxRy0
それでも、インデックスを家に連れて帰った。
手を引っ張るとインデックスはとても素直に俺の後に着いてきた。
玄関に入るとインデックスがぽつりと言った。
「インデックスは…どうすればいいんだよ?」

「とりあえず風呂に入ったらどうだ?パジャマ用意しとくから」
「…わかったんだよ」
インデックスが素直に浴室に向かうのを確認してからつぶやいた。
「どうすればいいか、俺だってわからねぇよ…」
テーブルの上にはさっきの手紙が置いてある。
戻ってきたということは、夕食の際に渡そうとでも思ったんだろうか。
「ありがとう、か…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 01:57:43.89 ID:GLl3KxRy0
きっとインデックスは俺の言葉を真に受けたんだろう。
それで俺に対して謝ろうとしたのか…。
それに比べて、俺は…結局、自分のことばっかりだ…。

インデックスが風呂から出てきたら、次は俺が風呂に入る。
その後、強引に押し倒すか?
誰のために?
それは俺のためだ…。インデックスのためじゃない。
じゃあ、何も無かった事にして茶化して夕食にして…。
そうしたら本当に終わってしまう事は明らかだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:01:40.65 ID:GLl3KxRy0
インデックスを失うのが怖いから、既成事実を作ってしまいたいなら辞めるべきだ。
少しくらいは男らしくインデックスの幸せを願うべきだ。
それとも、こんなに深く考えるのがダメなのか?
勢いに任せて、という言葉がある。
…それで良いのか?
インデックスと俺の関係はそれでいいのか?

俺とインデックスの関係。
俺はインデックスの事が大切で、インデックスも俺が大切だと思っていた。
好きは大前提としても、それが崩れるのが嫌だったのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:06:34.74 ID:GLl3KxRy0
ならば、押し倒して既成事実を作って…そんな関係を続けることを俺は望まない。
インデックスとの楽しかった日々の終わりをそんな風にしたくない。
俺は最後までインデックスを大切にしたい。
…それならば何もすべきではない。

例え、明日インデックスが別の誰かに抱かれようとも、そんな事はするべきじゃないんだ。
どんなに心苦しかろうとも、うなされようとも、俺はインデックスを大事にしたい。
「俺、性格堅すぎるのかな…」
口に出してみたもののしっくりこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:11:50.25 ID:GLl3KxRy0
ガラララ。
「とうまー上がったよー」
「お、そうか!パジャマあるから着ろよ!」
「うん!」
インデックスがいつもの声で元気よく返事した。

「ねぇ、とうまー机の上の手紙読んだ?」
「読んだぞ!お前、冗談にマジになってんな?俺怒ってな…」
「ううん!!違うの」
「なんだよ?」
「ずっと、とうまには感謝してたの…だからいつか手紙書きたかったんだ」
「そっか」
いい判断をした。きっとこれでいいんだ。
最後の機会を横目で見送ることになろうとも、これで構わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:17:54.63 ID:GLl3KxRy0
シャワーから上がると、インデックスがベッドの上で体育すわりをしながらボーっと外を見ていた。
何を考えているのか、窓の外、遠くを見つめていた。
「インデックスさん?」
「あ、とうま」
「隣に座ってもいいか?」
「元々とうまのベッドだし…」
ぼふっとベッドに勢いよく座るとインデックスが、こちらを向いてくすりと笑った。
「今日は噛み付かないのか?」
「私だっていつも噛み付くわけじゃないんだよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
それっきり俺たちは無言になった。
窓の外の雨音だけが聞こえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:22:20.82 ID:GLl3KxRy0
「もう付き合うのか?」
インデックスがはっとしてこちらを見た。
「たぶん、そうだよ?」
「なら彼氏を大切にな?」
「…」
インデックスは無言になった。

「な、何だよ?関係ないって言いたいのか?そのくらい…」
「とうまは!!」
インデックスが声を上げる。
「とうまは、それで良いの…?」
無数の言葉が喉から出かかった。
直感が、言うならここだ、と俺を引き止める。

―俺がインデックスを幸せにする!!
―良い訳ないだろ!!いい加減気付け!!
―好きなんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:27:24.65 ID:GLl3KxRy0
そう言った無数の言葉を飲み込んで、俺はギリギリこんな台詞を吐き出した。
「おう!お前が幸せになる道が、一番良いんだ!!」
「じゃあ、良いんだ…」
「うん!!」
「…そっか」
インデックスがベッドにごろんと横になった。

「とうまーお腹へったー!!おいしいご飯が食べたいよー!!」
「何?夜まで待てないのか?」
「待てないよー!!」
「全く最後までこうなんだからな…アイスはどうだ?」
「アイスー!!」
運命の糸というものがあるなら、俺は生まれて初めてそれが切れた瞬間を感じた。
もう永久にインデックスと俺の関係は元には戻らないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:37:36.13 ID:GLl3KxRy0
その後、インデックスは俺とアイスを食べ、いつもより少し豪華な晩餐を食べた。
いつものように話して笑って、そんな食事だった。
インデックスとの最後の晩餐としては上々だと思う。
当初の予定通り、インデックスは明日には家を出て行くらしい。
しばらくは学園都市にもある教会に住むそうだ。
「もう決まってるから」
インデックスはそう言った。

決まっているということは、俺の話す大分前から決まっていたということだ。
好きな人に関してもお互い気持ちを確認した上で、出て行くことを決めたということだ。
裏切られたような気がした。
それでも、何故か許せるような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:41:50.44 ID:GLl3KxRy0
インデックスが我侭で甘えん坊なのは、ずっと前からわかっていた事だ。
だからこんな風に勝手に決めてしまう事も、決めた後に惑うことも全てインデックスなんだ。
そんなインデックスがかわいいと感じていたのだから、今更手のひらを返すわけにもいかない。

「最後までお前らしいな」
「そうかな…?」
今後は魔術関係で頼られることもないだろう。
インデックスと俺が関係していたのはインデックスが一方的な好意を寄せていて、
それを俺が受け入れたからだ。
それがなくなった今、最早俺たちの間に貸し借りは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:48:10.99 ID:GLl3KxRy0
「とうまは神父さんみたいだね」
「インデックスはシスターとは程遠いね、ま、向こうでも頑張れよ?」
「私とうまの事が、前よりもずっと大好きになったよ!!」
ちゅっ。
寝る前にインデックスが俺にキスした。
これくらい役得で目をつぶってくれるだろう。
俺も目をつぶって、そのまま意識が遠のいていった。

朝、起きるとインデックスはいなくなっていた。
今度こそ正真正銘いなくなったんだろう。
布団にインデックスの残り香を感じて少し泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 02:55:07.61 ID:GLl3KxRy0
顔を洗うために台所に行くと、インデックスのために買った焼きそばパンが余っていた。
そういえば最初にインデックスに差し出したのも焼きそばパンだっけ…
インデックスが食わないなら、俺が食うしかない。

思い出は無数にある。忘れられない思いもある。
くるくると頭の中を数々の思いがうずまいている。
「何だか爆弾みたいな気持ちだな」
それでもこれで良かったと思える日がきっと来ると思う。
インデックスとすごした時間がこんなにきれいに終わったことを喜べる日がきっと来る。

「インデックスさんにはどこか遠くで幸せになってもらおう」
口に出すと意外とすっきりした。
さて、俺も元気に学校にかようとするかな。
玄関に出ると昨日インデックスが落とした傘が2本、その場にほおってあった。
彼女がいつか来たときのために、2本とも傘立てにさしておいた。


-fin-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 02:56:55.50 ID:k9Zyg8+z0
報われることなく終わったー、流石不幸だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:05:19.99 ID:GLl3KxRy0
番外編
『インデックスと結ばれたパターン』
>>67から

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:09:03.73 ID:GLl3KxRy0
「良いわけないだろ!!!馬鹿!!!」
感情が耐え切れずにとうとうあふれ出した。
「と、とうま…」
インデックスが言葉の勢いを受けて一瞬ひるむ。
俺は言葉をつなげた。

「手紙に書いてあった…
 親切にしてくれてありがとう?守ってくれてありがとう?
 優しくしてくれてありがとう?
 …ふざけんじゃねぇ!!!」
「と、とうま、どうしちゃったの?」
「インデックス聞いてくれ!!」

「好きなんだ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:15:01.88 ID:GLl3KxRy0
「好きって…わ、私のこと…」
「そうだ!!だから、親切にしたかったんだ!守りたかったんだ!優しくしたかったんだ!!
 全部自分のためだ!!」
空気を吸って、一拍おく。
それを見て、インデックスは堅く結んだ唇を解き放った。

「違うよ!!」
「違う…?」
「私、それでもとうまにありがとうって言うよ!!
 私もとうまに親切にされて優しくされて守ってくれて…本当に嬉しかったんだよ!!
 私だって、とうまの事が…す、好きだよっ!!!」
いつも照れずに大好きと伝えるインデックスが、一瞬言葉につまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:20:42.57 ID:GLl3KxRy0
「じゃあ、どうして出て行くんだよ…」
「とうま…」
「…言えない事情があるのか?」

インデックスは少し黙った。
「とうま、本当にごめん…私、とうまが私の事好きだなんて思わなかったんだよ」
「それじゃあ…」
「だから私の事を愛してくれる人に愛を注ぐべきだと思ったんだよ…」
「でも…」
「ダメなんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:24:58.17 ID:GLl3KxRy0
「今度はその人に対する裏切りになっちゃうよ…」
「何だよ…そんなの…」
「人間って難しいね…だから、とうまの気持ちには…えっ?」
俺は勢いよくインデックスを抱きしめる。

「そんなの…もう気にするんじゃねぇよ!!」
「と、とうま…」
「インデックスの気持ちはどうなんだ!?」
「うっ…」
「俺が好きか?」
「とうまが…好きだよ…とうまが好きだよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 03:29:02.84 ID:GLl3KxRy0
「じゃあ、それでいいじゃねぇか!」
「うん…なんて簡単には言えないよ…」

メンヘラビッチみたくなっちゃったw

支援嬉しかったです
ありがとうございます!!
>>76で完結したのでこれで…おやすみなさいー!

 

 

 

 

 

 


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